【人事が語る】「出戻り転職」に最適なタイミングはあるのか

出戻り転職とは
転職で、一度退職した会社に再び入社すること

転職先の会社で働いてみると
「やっぱり前の会社がよかった」と感じ、
出戻り転職を検討するという人がいます。

転職市場は活性化していますし、
求人企業数も増えているので
出戻り転職を認める企業も増えています

これはベンチャー企業のみならず、
大手企業も同じ状況です。

私の会社でも数年の間に複数名、
出戻り転職で戻ってきた社員がいますし、
何ならつい先日も内定を出した人がいます

そうはいっても、

  • うまくいかない可能性の方が高そう
  • タイミングが大事そう

と色々なことを思われる方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、今回は
「人事の視点からみた出戻り転職」についてお伝えします。

目次

 昔はタブー、でも今は… 出戻り転職の変化

昔は「出戻り転職」は論外と言わる時代がありました。

終身雇用ベースの日本企業では、
途中で自発的に辞めた人間を
再び受け入れることはタブーだったんです。

出戻りどころか、離職すら想定していなかった企業も
少なかったですし、中にはこんな経験をした方もいたようです。

90年代に転職しようと退職願を出したところ、
役員が出てきて慰留され、それでも退職を押し通したところ
「君は我が社の看板に泥を塗った。今後は当グループと一切関わらないように」と絶縁された

今は考えられないような対応ですね。

ですが、これはあくまでも過去の時代。

今は、会社によっては喜んで再入社を認めるところだってあります

その理由は、人手不足…という理由だけでなく
他にも3つのメリットがあるからです。

 「出戻り転職組」が持つ、3つのメリット

以下の3点は、出戻り転職組が持つ強みです。

(1) 採用・育成コストが低く抑えられる

採用・育成コストが低く抑えられるのは
大きなメリットです。

新たに中途採用者を雇う場合、
人材紹介会社からの紹介を受けることがほとんどなので、
採用コストとして人材紹介料がかかります。

また、入社後は企業の仕事に
早く適応できるような研修を行う必要があり、
当然、育成コストもかかります。

その点、出戻り転職者を採用すれば、
人材紹介料がかからず育成コストも大幅に削減できます

さらに、他社で培ってきた経験やスキルも身につけて戻ってくるので、
育成コストをかけずに、新たな経験やスキルを仕事に活かしてもらえる
ことは大きな魅力となります。

(2) 即戦力として期待できる

もともと働いていた人ですから、
即戦力として活躍することが期待できます。

人手不足が叫ばれている昨今、
即戦力となる出戻り転職者はとても貴重な人材です

中途採用で採用時に不安なことは
「本当にこの人が即戦力になるか」
です。

なぜなら、

「職歴は申し分なく面接も高評価だったのに、戦力にならない人」

はどうしても出てきてしまうからです。

面接という限られた時間だと
その人が自分の会社の仕事に向いているかどうか、
見極めることが非常に難しいのが現状です。

ですので、最後まで悩みながらの採用となる人も少なくありませんが、
出戻り転職者は何の心配もいらず、現場で即戦力となることが
分かるので、採用する側としても安心できます。

(3) 定着率が高い

そして、その人の能力やスキル、
人柄などが十分にわかっているはずなので
ミスマッチが少なく、離職率が下げられるのも
大きなメリットです。

他社を経験した上で自社に戻りたいという人は、
自社で働いたことのない人よりも離職率は低くなるもの。

会社は本人の志向を分かっていて、
本人も会社の組織風土を知っているので、
入社後のズレがあまりなく、定着率が高いです。

いかがですか。
他社を経験したけどやはり自社でもう一度頑張りたい、という志望動機を見て、
これだけ強みがあるなら前向きに検討したくなりますよね。

 強みを打ち消す可能性があるデメリット

とはいえ、これらの強みがあるにも関わらず、
出戻り転職に対して消極的な企業は多いのが現状です。

なぜなら、出戻り社員を採用した場合、
他の社員との関係性を考えざるをえないからです。

一度辞めた人が再び戻ってくるわけですから、
「また一緒に仕事ができる」という歓迎ムードがある一方、
それを快く思わない人も出てきます。

「どうせ長続きせず、また辞めるだろう」
と不信感を抱かれる可能性があり、
役職や給与で優遇された場合には社員の間に不満が出ます。

特に

  • 業務繁忙期に職場都合を考えずに退職した人
  • 抱えていた顧客の引き継ぎをせずに退職した人

であれば、不誠実な印象が強く残っているので、
会社としても一緒に働きたいとは思わないでしょう。

他には、

社員から「辞めてもまた採用してもらえる」
というイメージがつく

ことも消極的になる理由になります。

企業側としては、
出戻り社員を採用するには、
他の社員がマイナスイメージを持たないことが必須条件です。

 出戻り転職に必要なのはタイミングより○○

ここまでお伝えしてくると、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、
出戻り転職に必要なのはタイミング、ではありません。

もちろん、業務繁忙期前に連絡をとった方が
業務閑散期に連絡をするよりも転職が成功する
可能性は上がるでしょう。

ですが、タイミング以上に大切なのは
以下のどれかのポイントを満たしていることです。

(1) 信頼と実績を残した人

勤務していた時に信頼と実績を残していた人は、
企業としても再び一緒に働いて欲しくなります。

これは当たり前のことですよね。

信頼や実績がない社員を
再び雇いたいと考える企業はほぼないでしょう。

信頼と実績がある社員が辞めてしまったのは、
企業にとってはマイナスだったはずですから、
その社員が戻ってきてくれることは
企業にとって嬉しい場合が多いです。

(2) 円満退社した人

人に迷惑をかけずに円満退職したか
も大事なポイントです。

退職時にきちんと引き継ぎを済ませるなど、
後の業務に支障がないよう退職した人であれば、
企業側も出戻り転職をそこまで躊躇しません。

引き継ぎがいい加減だったり、
後味の悪い辞め方をした方には、
戻って来て欲しいとは思わないですよね。

職場の人間関係を良好にして
円満退職をするというのは
退職後のことを考えてもとても大切なことです。

(3) 辞めた後も、上司や同僚と連絡を取り合っている人

意外と決め手になるのが、
退職後も元上司や同僚と連絡を取り合っているかどうかです。

出戻りで元の勤務先に転職しようとしている人は、
一度その企業を離れる選択をしたわけですから、
「出戻りでも再び雇いたい」と思う人である必要がありますよね。

上司や同僚と頻繁に連絡を取り、関係を維持しておけば、
出戻り転職を考える時には、後押しをしてもらえる可能性があります。

そして、転職するのに絶好のタイミングを教えてもらう
ことだってできてしまいます。

転職後もスムーズに職場復帰しやすくなるので、
辞めた後も人間関係を大切にしておくといいかもしれません。

全ての要件を満たす必要はありませんが、
このいずれかがある人は出戻り転職に成功する確率が高いです。

人事としても役員としても、
その人が働いてどんな実績を出したのか、
どれだけ会社に貢献してくれていたか

は必ず確認しますし、退職理由も確認しますからね。

この特徴を裏返すと、出戻り転職のハードルが高い人も分かります。

例えば、

  • 円満退社できなかった人
  • 勤務年数が少ない人(実績や人間関係を築く前に退社した人)

は、出戻り転職のメリットが企業にないので、
ハードルは高くなりやすいです。

 まとめ

いかがですか。

出戻り転職者に対して、企業は

即戦力として活躍してほしい

という前向きな期待と共に、

周囲の社員のモチベーションが下がらないか

を心配します。

出戻り転職が歓迎されるかは、
会社の方針と転職者の人柄・能力による
ところが大きいのが実態です。

もし出戻り転職を検討されている人がいたら、
自分が働いていたときのことを思い出してください。

会社の退職理由は何でしたか。

やむを得ない事情で辞めたけれど、その会社が好きでもう一度働きたい!

と思ったあなたには、出戻り転職はありかもしれません。

一方で、以前辞めた理由が
人間関係や仕事内容、待遇などによるものであれば、
再びその会社に戻っても同じことで辞めたくなる可能性が高いのでオススメしません。

出戻り転職をした人には、
もしかしたら、以前より高い成果を出すことが求められるかもしれません。

周囲に認められるためには、再び会社の一員として
力を尽くすという心構えと行動が必要になります。

出戻り転職がしやすくなったとは言え、
軽い気持ちで一度辞めた会社に戻るのは
あまりオススメしません。

あなたにとっても、企業にとっても
会社に戻るのがよりよい選択になるのか。

ぜひしっかり考えてから考えてみてくださいね。

そして、
「そうはいっても出戻り転職でうまくいくか不安」
という人がいたら。

事前にこんな勉強をしてみてもいいかもしれません。

心のケアに役立つ心理療法と言われていますが、
治療を目的としたものばかりでなく、
自己成長や自分らしさを取り戻すことにも役立つと言われている内容です。

オンライン講座なので、短期間で資格取得が目指せますし、
知識としてでなく、セルフケアとして実際に活用することもできます。

ちょっとした自信と安心感をもって
出戻り転職に臨む。

そうすることで、面接当日も少し
リラックスした状態で迎えることができるかもしれません。

この記事が少しでもお役に立てば嬉しいです。

今回はこれで終わりにします。
ではまた。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

30代会社員。人事歴10年。自分磨きアドバイザーやってます。
これまでの人事経験をもとに、自分と向き合うことを大切さを発信。
面談・面接実績は3000件以上。
自分磨きや転職に関する記事を週2回更新しています。
Kindle本を出版し4カテゴリで1位を獲得。よければぜひ読んでください。

コメント

コメントする

目次