ディスカッションとディベート。
みんなで議論して、1つの結論を出のがディスカッション。
あるテーマについて立場を分け、討論するのがディベート。
両方とも大切なスキルですよね。
ですが、ディベートという言葉は時に
「論破する」という意味でとらえられることがあります。
ディベートと論破の意味は異なります。
もし、あなたが勘違いして相手を論破してしまうと、
後悔してしまう日がくるかもしれません。
今回は、論破をしても意味がないと言われる理由について
お伝えしていきます。
夫の残念エピソード
学生時代、私の夫はよく相手を「論破」していました。
サークルの仲間との打ち合わせでも
飲みの場でも、すぐに理屈で相手を黙らせてしまうんです。
その結果、
少しずつ私の夫は仲間と疎遠になっていきました。
楽しい酒の席でも偉そうに大口たたいて
理詰めで相手を黙らせていては、ムリもありません。
しかも自分が論破されると機嫌が悪くなるので、
手が負えませんでした。
今は何か思うことがあったのか、
だいぶとその性質は息を潜めたように感じます。
白黒はっきりつけたいと思う人は多いですが、
実際にやられる立場となると話は別。
いい気持ちになる人はいません。
人は離れていくことになるでしょう。
いいことは何もありませんので、そもそも無意味だと言われます。
勝っても相手は「動いてくれない」
筋の通った理屈で論破しても、
そこには一文の価値もありません。
むしろ、人間関係を壊すという
大きな代償がつきまといます。
なぜなら、
意見が対立することは
そのまま「感情が対立すること」に繋がるからです。
結局のところ人間は、
好きか嫌いか
という自分の感情で動く生き物です。
いくら正確なデータや根拠があったとしても、
好きなものは好きだし、嫌いなものは嫌いなんです。
これは、
仕事上の会議や交渉でも同じです。
いくら理論武装してその場の議論で勝ったとしても、
相手に嫌な気持ちを残してしまえば、
思い通りには動いてくれません。
やっぱり、
お互いにとっていいことはないんです。
目指すのは、
あくまでも穏やかに問題点を明確にして、
お互いにアイデアを出し合うような会議です。
相手を「嫌な気持ち」にさせないための3つの方法
では、相手に嫌な気持ちを残さないように
話をするためには何か必要でしょうか。
今回は、すぐに試せることを3つ紹介します。
事前の「根回し」
会議の参加者にあらかじめ、
議題を伝えて賛同を得ておきましょう。
裏工作のように感じる方もいるかもしれませんが、
当日にいきなり提案して
「こんな話は聞いていない」
とメンバーが怒ってしまうのは
何としてでも避けたいところです。
気分を害してしまうと、
議題の内容とは関係なく反対されることもあります。
あらかじめ議案を伝えて
相手の感触を知っておくと、
事前に対案を考える時間も
できるのでメリットもあります。
仕事では、「自分の主張を通す」という姿勢ではなく、
「一緒に最終合意を目指す」という意識をもってもらう。
こうすることで、少なくとも論破合戦にはならず
建設な話し合いができる可能性が高くなります。
ホワイトボードに書き出す
ホワイトボードは議論の整理に役立ちます。
ですがそれだけではなく、
同じ場所に色んな意見を書き出すことで、
どの意見も人につかず議論がしやすくなります。
「○○さんの意見」ではなく
「ホワイトボードに書かれた案1」。
このような捉え方ができるようになるので、
本人に向かって直接意見する形にならず
議論はしやすくなります。
「第三者への声がけ」を徹底する
特定の2人がヒートアップしそうになったら、
すかさず他の誰かに意見を求めましょう。
これは場を落ち着かせるためには
一番の方法です。
特に新人や若手など発言力の弱い人に
声をかけるのがポイントです。
また、全員が満遍なく発言するような会議は、
誰かが個人的に嫌な気持ちになることが少ないので
できるだけ色んな人に声をかけてみるのもいいでしょう。
同じゴールを目指すのに、
チーム内で足を引っ張り合うのは言語道断。
協力し合わなければ結果を残すことはできないはずです。
言い争うのではんく、協力できる関係にするためにも
感情的な対立に発展させないようにしましょう。
まとめ
いかがですか。
今回は論破が意味のないことだと
言われる理由についてお伝えしました。
論破とは、言い負かすこと。
言葉によって相手をねじ伏せ勝利すること。
これは基本的に嫌われる行為であって、
できるかぎりやらない方がいいです。
いくら悪気がなくても、結果的として
相手を言い負かしてなにも言えない状態にし、
傷つけたり不愉快な気持ちにさせたのであれば
相手から理解される日は永遠にこないでしょう。
論破の先にはなにもありません。
もちろん、
どの企画を通すか、などを決める場であれば
相手を言い負かさなければならない瞬間もあるでしょう。
ただ、それが許されるのは
お互いに同じルールで勝負している時だけ。
お互いに話す準備、聴く準備ができていてはじめて、
「言葉のキャッチボール」は成立します。
このことをぜひ、覚えておいてくださいね。
今回はこれで終わりにします。
ではまた。
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