仕事をする上で「効率化」という言葉は
耳にタコができる位よく聞く言葉です。
効率化できれば、より少ないエネルギーで、
多くの価値を提供できるようになり、会社の利益が上がります。
会社も嬉しいし、あなたも年収が上げるかもしれないから嬉しい。
…と思っていませんか。
実は、効率を追求し過ぎると、
かえって非効率になることがあります。
今回は、効率化の短所についてお伝えします。
1.「無用の用」を知る
あなたは、「無用の用(むようのよう)」という言葉をご存知ですか。
「無用の用」とは、
一見役に立ちそうもないものや事柄が、実は大きな役割を果たしていること
「無用」とは言葉通り、役に立たないこと・価値がないもの、
「用」は無用の逆を意味する言葉です。
ここから、一見価値がなく必要ではないとされるものが、
実は価値があり有用であること、という意味になります。
例えば、仕事だと「社交辞令」はこれに当てはまるかもしれません。
取引する気持ちがないのに、相手との衝突を防ぐために
「検討して後日ご連絡します」と返事をしたりしませんか。
社交辞令は周りくどく感じますし、時に「意味がない」と言われますが、
実際にこれがないと仕事が円滑に進まないことがあります。
社会人にとって必須級のスキルとも言われています。
2.効率化の罠
普段から意識するように言われる「効率化」は、
先程お伝えした「無用の用」を削ぎ落とすことがあります。
無駄を省くのは会社にとっていいことですが、
やりすぎるのは問題です。
例えば、4人でやっていた仕事を効率化して、
3人で仕事ができる様になったとしましょう。
1人分の経費が浮いたので、会社としては嬉しいはずです。
しかし、3人がまったく余裕なく仕事に追われている中で、
突発的なトラブルが起こったらどうなるでしょう。
対応が遅れる、対応できなくなるという状態になる
危険性も出てきます。
何もトラブルが起こらない環境ならいいですが、
仕事では予期せぬトラブルは必ず起こります。
少しでも身動きがとれる人がいたら対応出来ることも、
余裕を「無駄」として削ぎ落としてしまうと、
結果的に会社にとっては良くない状況になります。
3.効率化で失うものもある
ビジネスでは、本当に色々なことが起こります。
震災や集中豪雨、金融危機…。
振り返って「あの時こうすれば…」と話すことは
誰にでも出来ますが、未来に何が起こるかは誰にも分かりません。
ただ、今後も必ず予期せぬことは起こるでしょう。
そして、その環境変化に対応できるのは
もしかしたら「余白」を活かせる会社かもしれません。
余裕がないと、環境変化に対応することが難しくなりますからね。
また、これは上司から聞いた話ですが、
上司がまだ若い頃、同じ部門に仕事はあまりせず、
いつも色々な部署に顔を出して世間話をしている先輩がいたそうです。
「仕事もせずに毎日何してるんだ」と思っていたのですが、
誰も手をつけていない仕事があることに最初に気づく人だったそうです。
「ただ喋ってるだけじゃなくて、近況を聞きながら『誰がやるのかな、あの仕事』
という話をほかの部門から聞いてトラブルになるまえに対応できてたんだよな。
そんな人、今いたら怒られるだろうけど、そういう人も大切だったんだろうな。」
効率化をやりすぎて、余分なものを全て削っていくと、
もしかしたら組織のあちこちに空洞が生まれるかもしれません。
4.まとめ
いかがですか。
今回は、効率化は大切ですが、やりすぎると落とし穴にはまる可能性がある
という話をしました。
効率化はした方がいいですし、生産性向上も大切です。
ただ、何事もやりすぎは良くないですよ。
何事もバランスが大事です。
バランスを調整するのはマネージャーの仕事かもしれませんが、
私たちから、マネージャーに提案してもいいんです。
こんな時代だからこそ、働き方や考え方を見直して
よりよい働き方をしたいですね。
今回はこれで終わりにします。
ではまた。
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