昇格・昇進。
ひと昔前は、昇格や昇進を望む人が多く、
少しでも早く昇格するために仕事に邁進する姿が見られました。
ですが、
働き方の多様化に伴い、昇格や昇進に対する意識も変わりつつあります。
必ずしも昇格や昇進を望まない人が増えたと言われていますが、
その理由としては、
- 昇格や昇進に興味がない
- 責任のある仕事や大変な仕事をしたくない
- 転職を考えているので長期的視点で働いていない
人生観や仕事に対する態度に個人差があるように
会社における地位や待遇に対する考えもさまざまあります。
特にこれからの社会においては、会社と社員が
お互いの考え、仕事に対するスタンスを理解することが必要ですね。
実際に私自身も、20代後半から今もずっと
今の働き方が自分にとってベストなのか考え続けていますし、
5年後、10年後に今の会社で責任のある仕事をしたいかと言われると疑問です。
ですが、いざ個別に
昇格試験の案内がきたら
どうするかというと、
合格に向けて必死に勉強する人が多いのではないでしょうか。
そう、つい先日の私のように、です。
そこで今回は、
昇格試験で審査されているポイントについてお伝えします。
昇格したい!という方はもちろん、
ちょっと興味があるかな、程度の方も
知っているといいことですので、
よければぜひ読んでいってくださいね。
昇格するために必要なこと
昇格するために必要なことは
「昇格試験」を受けて合格すること。
昇格試験は会社によって、
年に1~4回ほど行われています。
(私の会社は年1回です。)
昇格試験を受けるためには、
会社の人事考課制度で定められた
基準をクリアする必要があります。
ですので、昇格したいという人は
基準をクリアするための結果を出す必要があります。
基準をクリアして昇格試験の候補者になったら、
いよいよ昇格試験の案内が届きます。
試験内容はさまざまですが、いずれも
会社の方針によって
どのような人材を昇格させるのか異なります。
とはいえ、昇格させたいと会社が思う人材には
共通するポイントがあります。
ですのでここからは、
- 会社が試験を行う目的
- 主な昇格試験内容
をお伝えします。
昇格試験の目的
昇格試験をおこなう主な目的は以下の3点です。
- 適性があるかの確認
- 将来性があるかの確認
- 客観性の担保
適性があるかの確認
現在の職務に対する習熟度や理解度に加えて、
今まで以上に重要な仕事を任せられるかが判断されます。
「現状の仕事がこなせるか」だけでなく
「もう一つ上のレベルの仕事ができる」がどうか
要するに能力があるかを見極められます。
将来性があるかの確認
本人が上を目指す意欲を持っているか
を見極められます。
実は、本人に「次の段階への挑戦」
をする意欲があるかどうかはとても重要です。
なぜなら、会社は長期的な視点で
活躍し続けてくれそうな人を昇格させたいからです。
本人が覚悟を決めて昇格したいという気持ちを持っていることは、
長期的な人材育成を目指す企業にとって重要な項目となります。
客観性の担保
一言でいうと、
「あの人、本部長と仲が良かったから昇格できたんだな」
なんて思われないために必要な目的です。
誰が審査しても、この人は昇格する。
そう思ってもらうために、客観的な基準を設けるようにしている
会社がほとんとです。。
昇格試験を3種類紹介 小論文・適性検査・面接
先ほどの目的でお伝えした通り、昇格試験は
- 適性があるかの確認
- 将来性があるかの確認
- 客観性の担保
この3つを確認するための内容
である必要があります。
今回は昇格試験で課される
代表的な3つの試験をご紹介します。
(1)小論文
適性・将来性を判断するために、
小論文を課されることがあります。
私の会社では、
締め切りを定めて事前に提出してもらっていますが、
会社によっては時間内に書かせる場合もあるようです。
テーマは会社によって異なりますが、
「職場での自分の役割と今後の課題」
「現部署の現状と課題・その対策」
のように、
自分と周囲の仕事を客観的にみつめ、
課題を抽出して解決策を提示する能力を確認するもの
であることが多いです。
役職があがると
視野を広げて業務遂行しているかを確認されるので、
「会社全体が抱える問題・課題とその解決法の提示」
「社会の中で会社が果たすべき役割・そのための課題抽出と解決」
というように、会社全体や本部全体の規模での
課題抽出と問題解決の方向性を提示する必要がある場合もあります。
(2)性格検査・能力検査
業務に適した性格や能力を有しているか、
を検査するためのテストが課される会社も多いです。
まとめて「適性検査」とも呼ばれたりします。
性格検査
仕事へのモチベーション、企業理念とのマッチング状態を測定
能力検査
効率性や問題解決の能力を測定
この検査は
他社の試験を用いるので、客観性に優れています。
検査の活用方法も様々で、
試験の通過基準として活用する会社もあれば、
現在の能力を数値化して後日フィードバックに活用する会社もあります。
ポイントは、
外部の試験(有料)を使ってまで会社が
昇格時に測りたいことがあることを理解しておく
ということ。
理由なく会社がお金をかけることはありませんので、
どんな狙いでこの検査をするのかを考えておくと
このあとお伝えする面接でも「いい回答」ができるかもしれません。
(3)経営者や役員との面接
おそらく現在、
最も多くの企業で重視されている試験方法です。
面接による評価は
面接官の主観が入りやすく、客観性に劣ります。
それでもなお、最も重視されている試験方法なのは、
小論文や検査結果だけでなく、
仕事への姿勢・業務態度などの情実的な部分も含めて
総合的に判断したいからです。
面接では、
「仕事の上で心がけていること」
「これまでの仕事で大変だったこと・創意工夫したこと」
「これからの自部門の展望」
など仕事に関連した質問はもちろん、
「あなたがここ1年で成長したと感じたこと」
などあなた自身のことを聞かれることもあります。
面接に正解はありませんし、
どんな質問がでてくるか分からないので、
全てに理路整然とよどみなく答えるのは難しいかもしれません。
ですが、ここで抑えておきたいのは
面接で必ず見られるのは、あなたの人柄だということ
取り繕わずに率直な回答を心がけましょう。
以上、3種類の試験をお伝えしました。
察しのいい人はお気づきかもしれませんが、
今回紹介した試験内容は、1つだけでは
昇格に必要な力全てを見極めることが困難です。
ですのでどれか1つではなく、
複合的に課されるものだと認識しておきましょう。
ちなみに私の会社では
…上記3つ全てが試験として課されます。
昇格試験に合格するために必要な視点
昇格試験に合格するためには、
会社の基準をクリアする必要があります。
そのため、会社によって合格に必要な力は異なりますが、
そうはいっても、必ず必要とされる力だってあります。
今回はどんな会社でも必要とされる力をご紹介します。
(1)多角的な視点
小論文、性格・能力検査、面接のどの試験でも、
物事を多角的な視点から見る能力は審査されています。
自分の立場だけでなく、
他人の立場から物事を考えられるかどうか。
普段から、上司・同僚・顧客などの視点で
自分や周囲の仕事の状況を分析できているかが重要です。
特に、1つ上の視点から
「客観的に分析して行動に反映する」ことを心がけましょう。
(2)論理的思考
小論文や面接で自分の考えたことを説明するときに
論理的な思考は欠かせません。
論理的というのは、
ただ理屈っぽく話すこととは違います。
結論をはっきりさせ、
その結論に向けて段階的に話が発展させられるか
を試験では審査されます。
例えば
『今までの仕事で大変だったこと・解決した経験』であれば、
- 大変だったこと
- 解決に向けた取り組み内容
- 取り組み内容の結果
- 自分が果たした役割
このようなことを段階的に話しながら
必要なエピソードを付け加えながらも簡潔に伝える。
これができれば、評価を得やすいでしょう。
(3)問題の本質・課題を捉えられる
仕事で発生した問題を解決、
また良くない状況を改善するには、
問題の本質を捉え、課題を抽出しなければなりません。
昇格してより上のクラスで仕事をするためには、
確実にこの力が必要になります。
本質を捉えるとは、
ミスなど問題の原因がどこにあるのか。
例えば、
- 人にあるのか
- 業務フローにあるのか
- システムにあるのか
などを深堀りして把握することです。
その上で、
問題解決の道筋を見つける事が業務改善につながります。
企業が求めているのはこうした
本質を把握する能力をもった人材です。
まとめ
いかがですか。
今回は、昇格について
知っておくといいことをお伝えしました。
多くの会社では、
昇格のために昇格試験をパスしなければなりません。
その試験に合格するには、
多角的な視点から、論理的に、
問題の本質を捉える能力を示す必要があります。
また、昇格にはその会社での
総合的な業務遂行能力が問われます。
日々の業務で
どれだけ成果を出してきたかのアピールも欠かせません。
今回ご紹介したことは、どれも大切なことばかりです。
ぜひ事前に対策をたてて、
昇格試験に臨んでくださいね。
今回はこれで終わりにします。
ではまた。
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