部下のメンタル不調の相談で、上司が言ってはいけない言葉

さまざまな理由で増え続ける
スタッフのメンタル不調。

企業では衛生管理や生産性向上という面から、
メンタルヘルスの対応が求められています。

今やメンタルヘルスの基礎知識は、
マネジメント上の必要スキルになっているとも言えるでしょう。

とはいえ、実際に部下から
メンタル不調の相談を受けたら。

どのような言葉をかけたらいいのか
悩まれる方は多いのではないでしょうか。

中には、よかれと思って発した言葉が、
かえって本人の気を落としてしまうケースもあります。

そこで今回は、
メンタル不調の相談をされたときの
基本的な対応と言ってはいけない言葉をお伝えします。

目次

部下が深刻な顔で「相談したい」と言った時の対応

まずは上司が部下からの相談を受けるときに、
知っておいてほしいポイントを2つお伝えします。

それは、

  • 話を聞く時間と場所を確保すること
  • 共感しながら聞くこと

この2つです。

話を聞く時間と場所を確保する

じっくりと話を聞くための時間と場所を確保すること。

まずは部下に、
「あなたの話をちゃんと聞きます」
という姿勢を見せましょう。

周りに人がいる状態で話を聞こうとしたり、
急かすようなそぶりを見せたら最後です。

部下は片手間に話を聞かれるように感じてしまい、

  • この人に相談しても意味がない
  • 期待できない

と思ってしまいます。

部下のメンタル不調を知るのは、
部下が出社しなくなり、
医師からの診断書が送られてきてからになるでしょう。

そうならないためにも、
部下と2人で話せる場所と時間を確保して、
受け入れる姿勢をとってあげてください。

共感しながら聞く

ただ聞き役に徹することに集中しましょう。

部下の話をさえぎらずに聞き、
受け入れることが大事です。

上司の立場で話をきくとつい、

「自分は上司だから、教え導ける言葉を言わなくては」
「せっかく相談してくれたからなにか助言をしないと」

と考えてしまいますが、
そんなことをする必要はありません。

上司の役割は、
部下の話をじっくり聞き、
本人が自分の考えや気持ちを整理するのを手伝うこと。

話すことで、部下は
自分で考えや気持ちを整理しているので、
聞くことに集中してあげてください。

ただし注意してほしいことがあります。

それは、
必要以上に部下の気持ちに寄り添いすぎないこと

相手の気持ちに寄り添い過ぎると
自分までつらくなるケースもあります。

メンタル不調はそんなに簡単に
解決できるものではありません。

部下の悩みを自分で解決できそうにないと思ったら、
すぐに産業医や外部の医師につないであげてくださいね。

熱心な上司ほど、

「部下のことは自分で解決しなければいけない」

と抱え込んでしまうことが少なくありません。

しかし、それは部下にとっても
解決にならないことを知っておいてください。

「言わない方がいい言葉」3つを紹介

ここまでで、部下から相談をうけたときの
基本的な対応方法をお伝えしました。

ここでは部下の話を聞いている時に
言わないほうがいい言葉をお伝えします。

部下から上司にメンタル不調を打ち明ける。

これは相当な勇気が必要になります。

特に、精神状態がよくないときですから、
後ろ向きなことを考えやすい状態で、それでも
打ち明けようとしてくれている。

まずは部下のこのような状況を汲んで、
丁寧に対応することを意識してください。

そして、これからお伝えする
3つの言葉は使わないようにしましょう。

「頑張れ」

メンタル不調の人を励ますのはよくない。

以前に比べれば、このことは
知られるようになってきました。

ですがまだ、

「もう少し頑張ってみよう」
「ここが踏ん張りどころだ。頑張れ」

と言ってしまう上司は少なくありません。

私の本部でも、このような声を
かけるだろうなという上司の顔が思い浮かびます。

ですが考えてみてください。

部下は不調を押して既に頑張っているはずです。

それなのに、
まだ「頑張れ」と言われてしまう状況。

部下としては、
「上司からは頑張れていないと思われているのか」
と自信を失い、さらに落ち込んでしまいます。

人によっては、
追い詰められると感じるので
この言葉は使わないようにしましょう。

「気分転換に飲みに行こう」

コロナ禍で飲み会の機会は減りましたが、
それでも気をつけたいのがこの言葉です。

声をかけた上司には悪気はなく、

「ちょっと仕事から離れてリフレッシュしよう」
「社外のほうが話しやすいのではないか」

という気持ちからでしょう。

ですがメンタル不調だと、
楽しむだけのエネルギーはありません。

むしろ余計に疲労感が増してしまうので
このようなことを言うのは避けましょう。

また、世代によっては
飲みに行くことがストレスになることもあります。

とある部長が、若手の女性社員を
(下心なく)飲みに誘った所、ストレスになったと
ハラスメントになりかけたこともあります。

普段から相当仲がいいのであればともかく、
メンタル不調の時に
一緒に楽しもうとするお誘いはやめましょう。

「休むのはいいけど、引き継ぎはしっかりやってね」

言葉だけを聞くと当たり前のように聞こえるこの言葉。

言いたい気持ちもわかりますが、
実際には口にしないで欲しい言葉です。

メンタル不調だと、思考力や集中力が落ちます。

元気な時ならすぐに終わる仕事でも
時間がかかってしまいますし、
疲労感も大きくなります。

そんな中、上司から
「しっかりした引き継ぎ」を求められるのは
かなりの負担になり、症状を悪化させてしまうことになります。

しかも、引き継ぎが終わるまで休めない
と思うので、さらにプレッシャーがかかり、
会社に来れなくなってしまうパターンもあります。

もし部下が診断書を持ってきたら…適切な対応は?

メンタル不調の時に話が聞ければいいですが、
相談される時に、医師からの診断書を持ってくる社員も
いるかもしれません。

医師からの診断書は、

「今日から休息してください」

という内容のものです。

もし部下が、医師の診断書をもってきたら
すぐに帰宅してもらい、その日から休ませるのが
適切な対応です。

ですが、残念ながら
このことが理解されていないことも多く、
診断書が出てから引き継ぎが終わるまで2~3週間、
仕事に行き続ける人もいるのが現状です。

上司として、仕事のことは心配しないで本人が休めるよう、
できるだけ配慮してくださいね。

まとめ

いかがですか。

今回はメンタルヘルスについて、
基本的な対応と、部下に言わない方が
いい言葉についてお伝えしました。

部下のメンタル不調。

できれば上司がいち早く気づいてあげるとよいですが、
実際はなかなか難しいです。

なぜなら、当事者である部下自身が、
調子が悪くても気づかれないように隠そうとするからです。

特にテレワークだと、調子が悪くても
期日までに成果物ができていたら気づけませんよね。

このため、本人が病院に行って
診断が出てから上司に相談するパターンが
圧倒的に多くなっています。

ですので、上司としては普段から、

  • 部下がメンタル不調を隠さずにすむ職場
  • 具合が悪いときはすぐに上司に相談できる雰囲気づくり

を目指して欲しいです。

もし、いつもと様子が違うなという部下を見かけたら、
自分から声をかけてみてください。

本人も知らない間に頑張りすぎているかもしれません。

今回はこれで終わりにします。

ではまた。

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この記事を書いた人

30代会社員。人事歴10年。自分磨きアドバイザーやってます。
これまでの人事経験をもとに、自分と向き合うことを大切さを発信。
面談・面接実績は3000件以上。
自分磨きや転職に関する記事を週2回更新しています。
Kindle本を出版し4カテゴリで1位を獲得。よければぜひ読んでください。

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