上司の大事な役割の1つである、部下の育成。
特に上司になったり、新人がきた直後は、
「部下を一人前に育てよう」
と張り切る人が多いです。
ですが、結果として、
部下のやる気を下げることが意外と多いです。
一体どこで間違えるのか。
今回は、上司が部下の育成をする時に
知っておくべきことをお伝えします。
自己流の育成プランは避けよう
上司が部下を育てようと意気込むこと、
そのための計画を立てることは良いことです。
しかし、気合が入りすぎて
「自分が1から教えよう」
と自己流の育成プランを押し付けるのは厳禁です。
なぜなら、
あなたが持っているノウハウや考え方を
部下に率先して伝えた場合の反応は、
人によって異なるからです。
満足そうな表情で頷く部下もいれば、
微妙な表情の部下もいることでしょう。
人を育てたいのであれば、
相手に合った育成プランが必要です。
4つの「ジンザイ」タイプ
おすすめは、育成プランを準備する前に、
部下の「ジンザイ」タイプを知っておくことです。
働く人には4種類の「ジンザイ」がいる
という考え方があります。
この「ジンザイ」とはそれぞれ、
「人財」「人材」「人在」「人罪」と言われています。
人財|やる気もあって、能力や専門性も高い人
人在|能力や専門性はあるのにやる気がない人
人材|やる気はあるが、能力はまだない人※新人など
人罪|仕事もできずやる気もない人
この4タイプ、それぞれ求められる内容や教えるレベルが異なります。
これまで私は、人事として多くの上司と関わりました。
上司の悩みも多く話をききましたが、
育成がうまくいかない上司の多くは、
育成の方針が部下と合っていませんでした。
ですので、この場合分けを意識するだけでも、
部下とのすれ違いが少なくなります。
タイプ別の「4つの方針」
では、タイプごとにおすすめな育成プランをお伝えする前に、
4つの育成方法をお伝えします。
ティーチング |具体的な知識やノウハウを教える
カウンセリング |悩みの相談に乗り、解決策を一緒に考え提示する
モチベーティング|動機付けをする
コーチング |本人が自ら答えを出す壁打ち相手となり、自己解決をサポートする
育成方法は大きくこの4つに分けることができます。
この方法と先ほどお伝えした4つのタイプを組み合わせると
大筋の育成方針が決められるのでオススメです。
人財タイプ|コーチング
やる気も能力もある人が人財タイプです。
このタイプの人に、
ティーチングやカウンセリングをするのは逆効果。
かえってやる気を削いでしまいます。
私はかつて、このタイプのメンバーに
ティーチングを使ってしまったことがあります。
結果は散々。
かえってやる気を下げてしまいました。
やり方をコーチングに変えた瞬間、
相手がイキイキと働く姿を見て、
育成方針の大切さに気づきました。
基本的に本人自身で仕事を進められるので
見守ることが多いこのタイプ。
だからこそ、求められた時には
ぜひ応えてあげてくださいね。
人在タイプ|モチベーティング
能力はある人なので、
やる気を出してもらうことが大事です。
任せている仕事の意義やテーマをしっかりと伝え、
本人にやる気を出してもらいましょう。
やる気スイッチを押してあげられると
見違えるようにパフォーマンスを発揮してくれます。
やる気スイッチを探すためには、
普段から相手のことをよく観察する必要があります。
日頃からコミュニケーションをとって、
相手がどんな言葉でやる気を出しそうか、
考えるようにしてみてください。
人材タイプ|ティーチングとカウンセリング
このタイプの人は、
基本的な知識やノウハウが必要です。
まずは、
しっかりティーチングをしましょう。
そして、実際に仕事をする中で
適宜カウンセリングしてみてください。
ティーチングとカウンセリングで
仕事に対する自信をつけてもらいましょう。
くれぐれも、相手に任せすぎないように
気をつけてくださいね。
人罪タイプ|ティーチングとモチベーティング
何とかやる気を持ってもらい、
力もつけてもらいたい人です。
時と場合によって、
この2つを組み合わせましょう。
例えば、業務の話をする時は、
「いつまでに、何を、どこまで」
という納期を必ず伝える。
そして、それが守れなければ
しっかりと注意しましょう。
このように、1つ1つ伝えて行く必要があるので
少し根気が必要かもしれません。
真摯に向き合うことで、
相手に信頼してもらうところから
はじめてもいいかもしれませんね。
もし改善されなければ、
異動などの対処を考える必要があります。
部下に直接、質問するのもおすすめ
もし質問できるのであれば、
育成方針を決める前に相手にこんなことを確認してみましょう。
- どのようなことを教えてほしいか
- 業務上どのようなことに困っているか
質問した上で育成プランを作ると、
育成後のコミュニケーション不全が少なくなります。
部下からすると、
自分が教えてほしいことに応えてもらっている、
と思えるので、話の聞き方が全く違ってきます。
もしかしたら、
事前に想定していなかったテーマが出るかもしれません。
新しい発見ができるかもしれませんので、
よければ聞いてみてくださいね。
まとめ
いかがですか。
今回は、部下の育成方法について、
ジンザイタイプと育成方法の組み合わせを
伝えしてきました。
上司は、誰しもが部下の成長を願うものです。
「部下を一人前に育てたい」
という気持ちで育成プランを作るのですから、
少しでも早く成長して欲しいという気持ちが
ないはずありません。
ですが、部下は一方的に育てるのではなく
「自分で育つ」ものでもあります。
日々暖かく、ときに厳しく見守ってあげることこそ、
一番の部下育成になるかもしれないことを、
知っていてくださいね。
今回はこれで終わりにします。
ではまた。
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