先日、元陸上選手の
為末大さんがSNS(note)で
「私たちの国は『なにかあったらどうすんだ症候群に』かかっている」
と発信していました。
これを聞いて、共感された方も
多かったのではないでしょうか。
今回はこの
「なにかあったらどうすんだ症候群」について
仕事・企業という観点で考えてみました。
「なにかあったらどうすんだ症候群」とは
〇 社会に安定と秩序をもたらすが
× 停滞を生み、個人の可能性を抑制する
この症候群には、上記の様な
メリットとデメリットがあります。
社会の変化が激しい現在においては
デメリットの方が強く現れそうですね。
今回の為末さんのコメントでも
デメリットに関する話が主になされていました。
現状維持は衰退、と分かっていても…
現状維持は衰退である。
そう理解していながらも、
実際にチャレンジできる人は
少ないように思います。
ましてや、企業となると
より一層チャレンジするのは
大きな決断が求められます。
日本は安定的で保守的
と言われています。
それは企業が、
「自分の会社で働いている人の雇用を守る」
ためにも利益を上げ続けなければならず、
これは企業規模が大きくなるとより一層
顕著になるからです。
ですから、
新しいことにチャレンジすべきだ
と分かっていても、上司から
「もしなにかあったらどうするんだ。責任とれるのか」
と言われることがありますし、
こう言われたら、
「自分では責任がとれない」
と思い、チャレンジできない人が
ほとんどです。
そうなると、
私たちが想像できる範囲内の未来、
今の延長線上の未来から、
よりよさそうな可能性を選ぶこと
しかできなくなります。
安パイだ。
そう言われても、
将来何が起こるかわからない中で
チャレンジし続けるのは
リスクが大きすぎる
と考える企業が多いのも頷けます。
個人でできることはないのか
では私たちにできることは何もないのか、
と言われると、決してそうではありません。
むしろ今だからこそできることが
あるのではないかと感じます。
未来は誰にも予測することができません。
今も社会は恐るべきスピードで
変化し続けています。
私たちはこの数年間で何度もそれを
体感してきたので、理屈ではなく
本能的にそれを理解できています。
身の回りでも、
小麦がここまで上がるとは…
うまい棒が値上げするとは…
と、予想だにしていないことが
起こっていますよね。
このような状況なので、
「このままで本当にいいんですか」
という声は意外と届きやすいのではないか、
と私は感じています。
まずは言葉を変えてみる。
「危ない」とか「予想できない」という言葉から
「チャレンジ」とか「ワクワクする」に変えてみる。
これだけでも心持ちは変わるものですし、
相手にもプラスのイメージを持ってもらいやすくなります。
もし仕事で何らかのリーダーを任されているなら
「やってみよう」と言葉で伝えていく。
もちろん、無謀なことをしてほしいわけでなくて、
未来は誰にもコントロールできないと覚悟した上で、
リスクを正しく認識して最小限に抑える。
そうして果敢にチャレンジしていくためにも
自分の考え方、言葉、行動を変えていくのが
一番なのではないかと感じます。
その結果、
すぐに何かが変わるということはないかもしれませんが、
少しずつ浸透していくものはあると私は思います。
最後に
為末さんは、
「自ら望んだわけではなく生まれて育つ間にたくさんの「何かあったらどうするんだ」という言葉にさらされいつの間にか罹患していきました。そういう意味ではその人も加害者も被害者もいません。」
ー為末さんのnoteより
「この症候群から抜け出るには、未来は予測できず物事はコントロールできないという前提を腑に落ちるまで受け入れることです。そして国民全員が「やってみよう、やってみよう、やってみなけりゃわからない」を合言葉にすることだと思います。」
ー為末さんのnoteより
このようにご自身の思いを綴られていました。
過去は戻ってこないし、
未来はどうなるかわからない。
考えても答えなんて出てきません。
私たちは人間の本能として、
心配性で、安全を求めたくなる生き物です。
だからこそ、もう少し気軽に
「やってみよう」とチャレンジしてみても
いいのかもしれません。
楽しい未来にするためにも、
とりあえずやってみよう。
そんな気持ちがいつか、自分の周りの人を、
会社を変えていくかもしれません。
今回はこれで終わりにします。
ではまた。
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