あなたはこれまでに
「脳トレゲーム」で遊んだことはありますか。
「認知機能を高めて脳の老化を防ぐ」
といわれ話題になり、世界中で
10億ドル規模の利益を上げてきたといわれています。
しかし、脳トレゲームが
本当に認知機能を高め、脳の老化を防ぐのか。
実は未だに議論が続いています。
なんでも、認知能力の向上を
証明するための基準が不明確で、
サンプル数が少ないためです。
今回は、脳トレゲームに焦点を当てながら
記憶についての話をしていきます。
脳トレブームは起こったけれど、効果は…
カナダにある大学の研究チームで、
脳トレゲームの効果について検証実験が
行われたことがあります。
約8,500人が参加したこの実験の結果、
記憶力や推論力、言語能力などの認知機能において、
脳トレゲームをしているグループが、
していないグループよりも優れているという結果に
はなりませんでした。
その実験によると、
脳トレを長期間した人の機能が
改善されたというわけでもないようなんです。
日本でも脳トレブームが起こりましたが、
脳トレゲームによる認知機能向上は
残念ながら期待できないと言われていました。
この結果が翌年に覆る
ここまでの話で終わると思いきや、
翌年は全く別の調査結果が出ているので
合わせてご紹介します。
イギリスの大学などの調査によると、
クロスワードパズルや数独などを定期的に行なっている
50歳以上の人は、取り組んでいない人に比べて
平均8歳若い脳機能を持っているという結果が…。
注意力・推論力・記憶力などが優れていたそうです。
この結果は、
「脳トレは知力低下に効果 あり」
と言えそうですよね。
調査結果としても、
「単語と数字のパズルで遊ぶ習慣が必ずしも認知症のリスクを
減らすとは言えないが、脳機能維持を助けると示した過去の
発見を裏づけている」
と説明されていました。
このようなことからも、脳トレに期待できる主な効果は、
脳の老化予防、認知症予防、認知症の方の能力維持と
言われています。
効果を高めるために大切なこと
ただし、脳トレをする時に大切なことがあります。
それは脳トレを楽しむこと。
楽しくなければストレスになり、
効果が小さくなると言われています。
認知力をや記憶力に効果があると言われている
脳トレですが、「記憶」にも分類がいくつかあります。
例えば、
数分後には忘れてしまう「短期記憶」もあれば、
よほどのことがないと忘れない「長期記憶」もあります。
そして、この「長期記憶」の中には、
歴史の年号などの一般的知識に関する「意味記憶」
自転車に乗るなどの体で覚えている「手続き記憶」
などがあって、忘れづらい記憶と言われています。
これらは、年を取っても損なわれにくいものです。
他にも「エピソード記憶」というものがあり、
過去の自分自身の「いつ、どこで、何をした」という経験を
自分の実体験に基づいて記憶しています。
実はこのエピソード記憶、
加齢によって低下することが知られています。
「あれ、そんなことあったっけなあ」というやつです。
脳の中で記憶を司っている「海馬」と呼ばれる部位の
機能低下にが原因だと考えられています。
もし、脳トレゲームをするという
自分の実体験や、ゲームを家族と一緒に遊んで
素敵なひとときを過ごすという記憶が残って
脳の機能低下を防いでいるとしたら。
それってとても素敵なことだなと思いませんか。
脳について分かっていることは
未だにほんのわずかだと言われています。
それでも今は、前向きな研究結果が出ているので
自分が楽しめる脳トレをやってみるといいかもしれません。
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